JO1、ツアーファイナルで東京ドーム2デイズを超満員に。白岩瑠姫「JAMの意味のひとつが、日本最高峰の場所で叶いました」「Blooming Again」「君のまま」といったバラード曲では、11人が1フレーズごとに魂を込めて歌唱し、JAMの胸を熱くする。かねてから「Blooming Again」への愛を表明してきた鶴房は、「僕の大好きな曲を、アリーナツアーからずっと披露できて幸せでした」と喜びを噛み締めていた。
2日間約10万席のチケットは完売し、急遽販売されたWith Usシート(体感席)まで埋め尽くされた超満員。「Blooming Again」を披露する前には、白岩が「JAMの意味のひとつである“会場を満杯にする”が、今、日本最高峰の場所で叶いました」としみじみと語る。
さらに白岩は「僕たちは最初、会社と一緒にゼロからスタートしました。最初の2年間は人前でパフォーマンスすることがなかったです。いっぱい失敗して、『もう無理かな』って思いました。なんで人の『好き』という言葉はなかなか信じられないのに、1回『嫌い』って言われたらすぐに信じてしまうんだろうと。でもそんなつらい思いをするのは、JO1だけでいいと思っています。支えてくれているJAMのみんなを、僕らJO1は一生愛すことを誓います」と続け、真摯な思いを届けていた。
そしてこの日最高潮の盛り上がりを見せたのが、「JO1DER SHOW 2025 REMIX」と、ベートーベンの交響曲第5番「運命」をサンプリングした最新曲「BE CLASSIC」のステージだ。「JO1DER SHOW 2025 REMIX」では、「Speed of Light」「Tiger」「SuperCali」「Trigger」などアグレッシブな9曲が息つく間もなくマッシュアップで披露され、11人が怒涛の勢いでステージのそこかしこに登場し、生命力にあふれたパフォーマンスで圧倒する。
それに続く「BE CLASSIC」ではクラシカルで荘厳なサウンドに乗せて、JO1が「自分たちがやがてクラシックになる」という気概を込めてパフォーマンス。終盤では川尻がダンサーにリフトされて立ち、美しい放物線を描いてうしろに倒れ込む。噴き上がる炎、そしてJAMからの割れんばかりのかけ声も合わさって芸術的なステージが完成。パフォーマンス後もJAMからはしばらく拍手と歓声が鳴り止まず、衝撃を物語っていた。東京ドーム公演はアリーナツアーの内容をベースとしつつ、4月2日にリリースされたベストアルバム『BE CLASSIC』で発表された新曲などを新たに盛り込んでスケールアップ。バンドによる生演奏が響くなか、ライブの火蓋を切って落としたのは、頼もしい最年少の豆原一成だ。
豆原はたったひとりでステージ上段に現れ、主人公の風格を放ちながら「Are you ready? TOKYO DOME! JO1 We Go to the TOP!」と、威勢よくJAM(JO1のファンネーム)を煽る。そこからメンバーがステージの各所にポップアップで次々に登場し、華々しくライブの幕が開いた。
序盤でJO1は、2024年末の『NHK紅白歌合戦』でも披露されたグループの代表曲「Love seeker」をはじめとして、「HAPPY UNBIRTHDAY」「GrandMaster(JO1 ver.)」などエネルギッシュな楽曲をノンストップで畳みかけて、オーディエンスを“自分たちだけのワンダーなショー”の世界へ誘う。炎や火花、ペンライトの遠隔操作など、ドーム公演ならではの豪華な演出も、メンバーの熱量をさらに高めた。
今回のツアーで印象的だったのは、リード曲やライブの定番曲などに縛られない楽曲のチョイスが行われていたことだ。デビューからの5年間でJO1が発表した楽曲は100近く。良曲ぞろいのディスコグラフィの中から、一つひとつがパズルの完成に必要なピースのようにセレクトされ、勢いを途切れさせないようなアレンジをもってセットリストに配置されていた。
11人がオールラウンダーに
DJ STAGEでは豆原がDJブースに立ち、ターンテーブルを自在に操ってJAMのボルテージを上昇させる。そして川尻蓮と川西拓実の「BINGO」、白岩瑠姫と金城碧海の「PUSH ON」、鶴房汐恩の「BON BON IS COMING」と、3組のユニットが次々に挑発的なラップを繰り広げた。最後の「Eyes On Me(feat.R3HAB)」では豆原のもとに5人が集合し、重低音のビートに乗せてJAMとレイヴのように大盛り上がり。
そしてBAND STAGEでは、5人がバンドを結成して「Mad In Love」を披露。河野純喜と與那城奨がギター、佐藤景瑚がドラム、木全翔也がベース、大平祥生がキーボードを奏で、青春ムード満載のステージでさわやかな風を吹かせた。
東京ドームで初披露となったアルバム『BE CLASSIC』収録の3つのユニット曲も、それぞれにまったく異なる魅力を放った。豆原、佐藤、川尻による「EZPZ」では、シャツにネクタイ、白いロングコートでそろえた3人がダンサーを交えた群舞で圧倒し、佐藤のアクロバットも迫力満点。
河野の伸びやかなアカペラで始まったロックナンバー「Be There For You」では、河野と大平、白岩、鶴房、與那城がエモーショナルなボーカルを響かせる。そして金城、木全、川西は真っ赤なキャデラックに乗ってアリーナ外周を回り、「Hottie with the Hot Tea」でクールなラップを披露。実力を磨き続けて全員がオールラウンダーとなった11人は、誰がメインとなっても見劣りしないどころか、それぞれにドームにふさわしい貫禄を携えていた。11人組のグローバルボーイズグループ「JO1(ジェイオーワン)」。“グローバル”を標榜していた彼らは結成当初からワールドワイドな活動を目指していたが、デビュー日は2020年3月4日。コロナ禍の影響を真正面から受けたグループのひとつといえる。
【写真】東京ドーム公演の口火を切った豆原一成
2025年4月20日、21日の2日間、東京ドームを超満員にした『JO1DER SHOW 2025 ‘WHEREVER WE ARE‘ IN TOKYO DOME』で、彼らは2024年からの全国&ワールドツアーを終え、全11会場24公演で約25万人を熱狂させた。
本稿では、大成功のうちに終えた初の単独東京ドーム公演、4月21日のライブの模様をレポートする。
エンターテイナーとしての矜持を見せた『JO1DER SHOW』
2024年11月、『JO1DER SHOW』ツアーの始まりの地となったKアリーナ横浜公演に足を運んだ際、ひとつの“ショー”としての完成度の高さに驚いた。ユニットステージやDJ、バンド演奏などさまざまな表現が盛り込まれつつも、VCRも含めすべてがパフォーマンスとシームレスにつながった没入感の高いステージで、体感時間があっという間だったのだ。
自分たちの強みを問われれば、真っ先に「ライブ」と答えるJO1。ライブのセットリストや演出などに積極的に意見を伝える彼らは、先日筆者が『日経エンタテインメント!』4月号でインタビューした際、前回のツアーを超えるために『JO1DER SHOW』では当初提案されたセットリストをがらりと変えたことを明かしてくれた。
東京ドーム公演の開催直前にYouTubeに連日アップされていた『JO1DER SHOW』の各地のビハインド映像でも、常にベストなライブのかたちを模索するJO1の姿が切り取られている。『JO1DER SHOW』は、JO1が表現者として、エンターテイナーとしての矜持を見せたツアーだった。
横浜公演に始まり5カ月間、11人は日本国内のアリーナツアーで4都市14公演を回り、年明けからは世界6都市8公演でのワールドツアーを駆け抜けてきた。その集大成となるJO1初の東京ドーム単独公演では、どんな進化を見せてくれるだろうか。開演を迎えると、想像以上のライブに胸を熱くさせられた。